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THE BEATLES 「Stereo Vinyl Box Set」⑥

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THE BEATLES 「Stereo Vinyl Box Set」⑥
今回は、1963年11月22日 英国で発売された
ビートルズのセカンド・アルバム「With the Beatles」です。




side one
It Won't Be Long
All I've Got To Do
All My Loving
Don't Bother Me
Little Child
Till There Was You
Please Mister Postman

side two
Roll Over Beethoven
Hold Me Tight
You Really Gotta Hold On Me
I Wanna Be Your Man
Devil In Her Heart
Not A Second Time
Money

produced by George Martin



PMC 1206 (monaural LP)
PCS 3045 (stereo LP)


楽曲構成は前作同様オリジナル8曲、カバー6曲。
ビートルズのオリジナルアルバムの中で最も黒い印象を受けるのは
カバー曲が黒人のタムラ・モータウンレコードの曲や
黒人ガールグループ、チャック・ベリーのロックンロールなとで
占められているからでしょうか?

モータウンの黒人ガール・グループ「マーヴェレッツ」の全米NO1ヒットで
カーペンターズもカバーする「Please Mister Postman」

スモーキー・ロビンソン&ミラクルズのナンバーで
日本のキャロルも好んで取り上げた「You Really Gotta Hold On Me 」
ここではビートルズ史上唯一のジョンとジョージのデュエット。

「Money」もモータウンレコード創設者のベリー・ゴーディの作った
ナンバーで、ジョンのドスの利いたヤクザな歌いっぷりが最高です。

そんな中でポールがカバーした「Till There Was You 」は
ブロード・ウェイミュージカルの中の一曲。如何にもポールらしい選曲です。

オリジナルに目を向けると「Yeah!」のかけあいコーラスが
初期のビートルズらしさ体現している「It Won't Be Long 」

ジョンがスモーキー・ロビンソンを意識し作った
隠れたロッカ・バラードで「This Boy」と兄弟曲のような
「All I've Got To Do 」 ポールのベース和音弾きも印象的。

シングルカットはされなかったが、ポールのダブルトラック
ボーカルが美しい「All My Loving」

黒っぽいフィーリング満載の「Hold Me Tight」
後にローリング・ストーンズに提供した「I Wanna Be Your Man 」
佐野元春さんがビートルズの曲で一番好きと公言する
「Not A Second Time 」の高揚感。

ジョージの処女作は病気療養中 ベットで書いた
本人は駄作 忘れたい一曲語る「Don't Bother Me」

どれも捨てがたい、初期のビートルズの音楽的ルーツ
エッセンスが真空パックされたようなアルバムです。

カラー写真のジャケット全盛時にあえて白黒、
しかも「ハーフシャドー」と言われる アイドルらしい
笑顔も微塵も見せない強気な面構え。素晴らしいです。


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話題の「Stereo Vinyl Box Set」に付いてくる、豪華な本に
興味深い写真が載っていました。

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「With the Beatles」のステレオ盤のA面のマスターテープの箱です。

64年3月16日~64年6月24日
66年3月28日~66年5月3日
68年10月4日~68年10月24日
69年2月18日~69月11月17日


箱にびっしりと日付が記載されていますが
これはその日付にマスターテープの箱のシールドを開封し
マスターテープを使用した日が記載されています。

レコードの原盤は何百万枚もプレスできません。
在庫が不足し、新たにプレスする際、マスターテープから
再度ラッカー盤を作成する必要が有ります。

また、英国国外からの要請が有れば作成したり
マスターテープをコピーして、要望のあった
各地のEMIにも発送します。

81年7月2日 ヴェネズェラの記載が有りますが
ヴェネズェラ盤の為に箱を開封したのでしょう。

そして なんと


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83年9月9日 東芝と記載があります。
勿論、日本での発売元の東芝EMI用に、箱を開封したと思われますが、
日本では1966年 昭和41年にビートルズ来日記念として
発売された「ステレオ これがビートルズ VOL2」の
ステレオマスターが長年流用されていました。

東芝のマスターテープが劣化したのでしょぅか?
私の所有している通称「旗帯」のシリーズ。
残念ながら音が細くて良い音とは言えない物です。

実は81年 中学1年の時、父親に連れて行ってもらった
「石丸電気 新潟店」で、この「With the Beatles」の
英国盤を買ってもらいました。2450円でした。

日本盤とは比べ物にならない鮮明なジャケット写真。
音も日本盤より張り出し、勢いのある荒々しい音でした。

もしかすると、87年にCDが登場する前の
数年の間に日本でプレスされた「With the Beatles」の東芝盤の中に
非常に音の良い物が存在するかもしれません。
消費税表記の帯のレコードをお持ちの方 ご連絡ください。


真空管アンプと英国タンノイ社の15インチ同軸スピーカーから
奏でられるビートルズのアナログ盤。

オリジナルプレスの荒々しい音も大変魅力的です。
熱気を音から感じます。

最新のステレオリマスターのアナログは
スピード感を感じない、大型の高級車を高速で走らせる
安定感が有ります。

切り込み深いソリッドな音とは違った、柔らかい感触ですが
左から演奏 右からボーカルの初期のビートルズの音を
上手にまとめて聴かせます。

ボーカルが良いです。特にジョンのボーカルは
切ないですね。息遣いまで耳からではなく、心のビートから
伝わってきます。
リマスター 即ち 音の再構築 再演出
ビートルズのレコードを聴きこんだ人が解る何かを感じます。

やはり同じマスターでもCDとアナログでは
肌に感じる物が微妙に違います。

幾らデジタルでも、人間の耳に入ってくる音はアナログでから、
それは理にかなっている事なのかも知りません。







英国EMIのマスターテープを借り受け{実際は高音質コピーマスター}
日本のビクター音楽産業のプレス工場でハーフ・スピードカッティングされた
アメリカモービル・フィディリティ・サウンド・ラボ社の高音質LPより。
音の左右の分離度が全く違うのがお解りいただけると思います。

このタイトルのみ、工場の人がスタンパーを床に落として
破損させてしまったため、2500枚位しかプレス出来なく
現在3万円~4万円で取引されている希少なレコードです。

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