日本のファンキージャズブームの到来は
昭和36年正月のアート・ブレーキー&ジャズ・メッセンージャーズ。
翌年のホレス・シルバー・クインテット。
そして、止めを刺すのが、昭和38年7月のキャノンボール・アダレイ・セクステットの
来日ということになる。
あの石原前都知事も、大橋巨星も一緒に記念撮影しているくらい
彼らの公演は熱狂的に迎えられ、日本テレビ TBSでも来日特別録画が
収録されているほど。
高輪プリンスホテルから東京サンケイホール公演に向かう彼らを追った
当時の「スイングジャーナル」を見たことがあるが
それは凄まじい熱狂と興奮のようであった。
メンバーは
Cannonball Adderley (as)
Nat Adderley (cor)
Yusef Lateef (ts, fl, ob)
Joe Zawinul (p)
Sam Jones (b)
Louis Hayes (d)
ナット・アダレイ
弟で本当に中の良い兄弟。
弟作の「ワーク・ソング」「ジャイヴ・サンバ」はジャズのスタンダード。
ユゼフ・サティーフ
コルトレーンとも仲が良く、
ジャズ界の哲学者とも言われるフリー寄りのサックス奏者。
この時期のクインテットの音楽の幅を広げた。
ジョー・ザヴィヌル
オーストラリア出身のピアニスト。
泣かず飛ばずの地味なピアニストだったが
クインテット加入後、頭角を現す。
同グループの大ヒット曲「マーシー・マーシー・マーシー」を作曲。
後に、ウェイン・ショーターと共に「ウェザー・リポート」を結成する。
サム・ジョーンズ
堅実なベースプレイで多くのピアノ・トリオの録音に参加。
派手さは無いが、名盤の影にサム・ジョーンズあり。
ルイ・ヘイズ
ホレス・シルバーのクインテットから移籍。
黄金期を支えた。後にオスカー・ピーターソンのトリオに参加。
現在も精力的に活動している。
①「ニッポン・ソウル」
7月14・15日に行われた、東京サンケイホールでの実況録音盤。
後のCD化の際に、未発表の「ワークソング」を追加収録。
メンバーを浮世絵にモチーフにしたジャケットが秀逸。
②「キャノンボール・アダレイ 1963」
日本テレビのスタジオライヴの現存するVTRより。
このVTRも以前、東芝EMIよりVHS レーザーディスクで発売されたが
私は見たことが無い。音質も良く、終始充実した演奏。
③「ディジーズ・ビジネス」
1970年代、①の未発表曲を収録したLPが、日本のビクターから
「枯葉」というタイトルで発売された。
CDでは、日本以外の貴重なライヴ音源も追加収録されている。
④「Cannonball Adderley sextet 1962-1963」
近年発売されたDVD。
なんと、TBSでのスタジオライヴが収録されている。
観客の居ないスタジオでの熱演。
キネコフィルムで、状態もあまりよくなく、コマ飛び、音飛びもあるが
超貴重。最近まで存在が語られていなかった幻の映像。
あのクインシー・ジョーンズは当時、彼らの事を
「ファンクの卸商人」
また、チャーリー・ミンガスは「ジャズじゃない、ロックンロール」と
罵ったが、後のクインシーの「愛のコリーダ」って何なの?
ジャズもロックも楽しければ 体が躍動する
彼らの音楽は本当に最高にファンキーで大好き。
まささんの一番好きなジャズアーティストは?と聞かれたら
間違いなく「Cannonball Adderley』って答えるよ。