Quantcast
Channel: 月影の宵/IN THE EVENING BY THE MOONLIGHT
Viewing all articles
Browse latest Browse all 331

THE BEATLES 「Stereo Vinyl Box Set」5

$
0
0

月影の宵/IN THE EVENING BY THE MOONLIGHT
月影の宵/IN THE EVENING BY THE MOONLIGHT
月影の宵/IN THE EVENING BY THE MOONLIGHT



THE BEATLES 「Stereo Vinyl Box Set」第五回目は
ビートルズ最後の録音「Abbey Road」をお送りいたします。

メンバー間に亀裂が生じ、すでに4人の間に「解散」と言う言葉が
浮かんでいた、ビートルズ末期状態をありのままに映した
「レット・イット・ビー」の映画フィルムの頃に、再度もう一度
原点に、ビートルズの最後ぐらいは華々しく飾ろうと
4人が久しぶりに顔を揃え、力を合わせて作った後期の傑作です。

録音はEMI第二スタジオで1969年4月20日 - 8月18日に行われ
英国での発売は9月26日 当時の日本の東芝音楽工業盤の帯には
「世界同時発売」とデカデカと記載されていましたが
実際の発売は10月21日でした。

ジョンのギターは『Epiphone Casino』
ジョージも『Epiphone Casino』を使いましたが、メインは『Gibson Les Paul』
ポールのベースはお気に入りの『Rickenbacker 4001』
リンゴは『Ludwig』のドラムのバスドラムの中に布を敷き詰めたり
これは当時としては初めての試みでした。

ジョージは自分の作品が何時も2曲くらいしか採用されない事に
我慢の限界を感じていました。そしてポールの独善的な態度に
ジョンはヨーコにべったり。
ポールとは以前から折り合いが悪くなっていましたが
仲の良かったジョンとも69年の初めに殴り合いの大喧嘩を
繰り広げています。
彼は後に3枚組でソロ・デビューを果たしますが
ここでも、あのフランク・シナトラが「一番好きな
レノン&マッカートニー作品」としてあげた『Something』
親友、エリック・クラプトンの自宅で作った、Gibson J-200の音色が
美しい『Here Comes The Sun』を披露し、ソングライターとして
飛躍し成長した所を見せつけました。

録音的には68年に導入された8トラックの機材を駆使し
基本的に4トラックにベーシックトラックを録音し、それを
8トラックにコピーしながら完成させていきました。
『Because』では当時珍しかったシンセサイザーが導入され
日本の富田勲さん等も注目されたようです。

何と言ってもポールとジョージ・マーティーンのアイディアによる
メドレー形式のB面がいつ聴いてもスリリングで美しい。

『The End』では絶対ドラムソロはやりたくないと拒んでいたリンゴの
唯一のドラムソロの後、ポール・ジョージ・ジョンの順に
ギターソロを披露。実際にこの曲が4人が顔を揃えた
最後の曲となりました。

本国では17週間第1位、アメリカでは11週間第1位
日本のオリコンではアルバム総合チャートで最高3位と
各国で大ヒットを記録しましたが、英国の音楽雑誌の人気投票では
「レッド・ツェッペリン」に一位の座を明け渡す事になります。
1969年が音楽の過渡期と言われるのはこの事も一理あるのです。


今回のリマスターアナログ盤ですが
ネット上で「EU盤のI Want You (She's So Heavy)の箇所に
傷みたな白い汚れが有り、数回ノイズが出る」との書き込みが多くあり
心配していましたが、私のも【あたり】でした。
白い汚れみたいなものが米粒大位の大きさで付着し
良く聞くと4回ノイズが出ました。それほど大きなレベルではありません。
勿論、マニアは許さないでしょう。
しかし、この「アビー・ロード」のこの曲部分だけ・・・不思議です。


初めてこのアルバムを聴いたのは小学4年生。
LPを買ったのは中学2年、勿論、東芝EMI盤。
その後、ドイツ盤 イギリス盤を買い、日本盤と違う
音の良さに驚きました。モービル盤も所有していた時もあります。
そのレコードと聴き比べると、今回のシリーズ同様、
自然な音作り 余計な加工はあまりせず、マスターテープ
その物を素直に聴かせるような、おとなしい音とも感じます。
料理に例えるなら、素材の旨味を優先的に引き出したような、
オリジナルやモービル盤は旨味調味料・スパイズがふんだんに
使われているような感じ。
CDと同じように「I Want You (She's So Heavy)」のジョンの
絶叫時の歪みノイズが奇麗に修正されています。
逆に<これなんかそのままの方が良かったような気がしますが
皆さんはどう思われますか?



月影の宵/IN THE EVENING BY THE MOONLIGHT
月影の宵/IN THE EVENING BY THE MOONLIGHT


比較対象盤は、87年、初のデジタルリマスターCD音源を
使い、2003年に発売された東芝EMI盤。
当時から酷い盤質に酷い音と感じていましたが、
リマスター版の直後に聴くと、本当に酷い事が解りました。
3~6KHZ辺りの音がキンキンと響き、ボーカルの
サ・シ・ス・セ・ソ行で歪みっぽくなります。
音も薄くて厚みが無いペナペナの音です。
カッティングエンジニアに愛を感じません。
とにかく酷い音です。
レーベルの「アップルマーク」も偽ブランド品みたいですね。

実は、このアルバムで最も音が良いと思うのは
海外のDr・エバレットという謎の人物がマスタリングを
施した海賊盤CDなのです。
ジャケットは正規その物なので掲載しませんが
正規CD リマスターCDとは比べ物にならないほど
音が前に出てくる物です。
リマスターCDとは真逆の、オリジナルプレスの迫力を
意識したマスタリングです。
参考までに。

このアルバムからEMIスタジオが「アビーロードスタジオ」に改名されたり、
ポールだけ裸足、停まっているワーゲン・ビートルのナンバープレートに
「もし 生きていれば28歳」に捉えられる数字と文字が記載されていて
「ポール死亡説」まで引き起こしました。
私も死ぬ前に一度、この地を訪れて記念撮影をしてみたいと思っています。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 331

Trending Articles