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Channel: 月影の宵/IN THE EVENING BY THE MOONLIGHT
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THE BEATLES 「Stereo Vinyl Box Set」④

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ア・ハード・デイズ・ナイト
アビーロード








$月影の宵/IN THE EVENING BY THE MOONLIGHT


好評なのか?不人気なのか?知りませんが
テレビでも紹介されたTHE BEATLES 「Stereo Vinyl Box Set」

こんなに高い物を買ってくれた嫁に感謝と懺悔の毎日です。

今回はリアスさんのリクエスト アヒルさんの思い出の一枚
ビートルズ三枚目のアルバムにして、初の主演映画のサントラ盤も兼ねた
A Hard Day's Night紹介いたします。

英国での発売はモノラル ステレオ共に1964年7月10日
日本では「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」の映画邦題と同じタイトルで
昭和39年9月5日に東芝音楽工業より発売されました。
東京オリンピック開幕目前の頃ですね。

因みに「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」のタイトルを付けたのは
当時、ユナイト映画の日本での宣伝部長だった故・水野晴郎さんが
「ビートルズ・イン・カム・タウン」という宣伝フィルムと
映画を間違ってしまい付けたタイトルでしたが
その後40年近く親しまれましたが、現在は「ハード・ディズ・ナイト」に
統一されました。
水野さんは英国で開かれたワールド・プレミアにも参加され
ビートルズと懇談されてます。
当時のミュージックライフ誌に掲載されています。
見たい方居ましたら御連絡下さい。

全13曲 全てレノン&マッカートニーのオリジナル。
もう一曲、リンゴ・スターに歌わせるオリジナルが作れなかったため
13曲と言う変則に終わりましたが、映画での主人公的役割だった
リンゴですから、リンゴファンは納得でしょう。

ジョージ・マーティーンオーケストラの演奏による
「ディス・ボーイ」は東芝のシングルでは「リンゴのテーマ」と付けられていました。
その他の演奏を含め、写真の赤いアメリカ盤で聴く事が出来ます。


初の4トラック録音で音質も格段に良くなり
ボーカルも中央から聴こえるようになりました。

何と言ってもジョージのRickenbacker 360-12の12弦ギターの音が
このアルバムの要になっています。


月影の宵/IN THE EVENING BY THE MOONLIGHT
月影の宵/IN THE EVENING BY THE MOONLIGHT
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先ず聴いて驚いたのが、音が全体的に中央に寄せてあると言う事です。
リマスターCDではあまり気が付かなかったのですが
リマスターCDを取りだし、再生してみました。
確かに従来のステレオアナログよりも音が中央寄りになっていますが
アナログでは顕著です。

87年にモノラルのCDで統一され、ステレオ盤はずっと廃盤のままでした。
それを意識したのかは解りませんが、先回紹介した
「ビートルズ・フォーセール」とはリマスターの試み 方向性が違うようです。
エンジニアの感性でしょうか?

何故か、B面全体の音が歪みがちに聞こえます。
これはリマスターCDとは違います。カッティングミスなのか?
あるいは意図的なのか? 「Any Time At All」「When I Get Home」では
迫力が増しますが、音の方向性としてやはり違うような気がします。

A面は比較的にあっさりと聴かせます。
「And I Love Her」は従来通りのセパレーション 空間ですが
綺麗に響き過ぎ、逆に音が弱く感じます。

「Tell Me Why」冒頭の5秒位、マスターテープの劣化による
ドロップアウト 音の揺れが顕著です。
リマスターCDでもそうでしたが、こういう場合は
セカンドジェネレーションの良質な物に差し替えたり
オリジナルマスターに拘る必要はないと思います。

今は売却して手元にありませんが、モービル盤の
分離度は凄いです。あれが本当にオリジナルマスターの
チャンネルセパレーションとなると、再発盤を含め
英国オリジナルステレオでもカッティング時、若干の音質補正が
行なわれている事が解ります。

もしくはモービルのカッティングが神業なのでしょうか?

期待していただけにちょっとがっかりな音の仕上げ
荒が見え過ぎました。



月影の宵/IN THE EVENING BY THE MOONLIGHT
月影の宵/IN THE EVENING BY THE MOONLIGHT
$月影の宵/IN THE EVENING BY THE MOONLIGHT


比較対象盤は、70年代初頭にプレスされた「2BOX EMI」と呼ばれる
タイプのレコードにします。

これは「マトリックス 1」で、レーベルのリム表示が
Grammophon と表記されている物で、音質的には
初版のステレオ盤と同じラッカー盤を使用してプレスされていますので
音質的にはオリジナルと遜色の無い音が期待できる盤です。


こちらも破綻の無い、落ち着いた音ですが、分離がやはり良いです。
聴きなれている音ですからしっくりきます。
「Can't Buy Me Love」「I'll Be Back」では音が甘くなりますが
この当時のカッティングでは仕方の無い事です。
それもビートルズの音でした。
高音質と言ったらモービルに10倍以上軍配を上げますが
オリジナルの音 懐かしくあり 不変であり
やはり何かこう しっくりと耳から体全体に音が体に染みます。

量感的にはリマスター盤の方が良いですね。

「フォーセール」の溜息が出るような音作りと違い
逆にオリジナルを尊重した音作り それはそれで一つの答えだと思います。

久しぶりに聴きましたが、やはり初期のビートルズの熱気と興奮が
ダイレクトに伝わる傑作だと思いました。







このアメリカ盤 ビートルズの演奏は疑似ステレオなんですが
コーラスになると右に音が集中したり まあ殆どモノラルで
酷い物です。オリジナルの長さのI'll Cry Insteadと
ポールのボーカルがシングルトラックのAnd I Love Herは価値ありますよ。

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