今夜も誰もお客が居ない、マスター専用のリスニングルームで
唯一の常連さんとたわいもない話しで盛り上がる
「ハイボールジャズ喫茶」での一夜。
こんばんは。今日は誰か一人くらいお客さん居るかなと思ったのに。
余計なお世話 いらっしゃい。
あのね、マスター、この前テレビで赤坂泰彦さんとクリス松村さんが
ビートルズのCDとレコードの音の聴き比べしていたんだけれど。
ああ 俺も見たよ。CDはスタジオの綺麗な音で
レコードはライヴの音とか言ってたけど。
あのレコードは日本の東芝のコンパクト盤ね。
コンパクト盤は、33回転のシングルと同じ17センチの盤で
方面2曲、両面で4曲入っていて、昭和30年代後半から
昭和40年代前半まで人気が有った。
けれど、あれはLPで言うところの最終溝辺りにで
あの箇所はどうしてもカートリッジとのトラッキングエラーで
音が歪みやすい。シングル45回転で一曲だと
凄く迫力が有って、音も良いのに、コンパクト盤は音が貧弱で悪いよ。
あんなノイズ、無いですよね。>
あれは演出もあると思うよ。でもわざとらしい。
CDしか聴いた事の無い若い人が聴いたら
嫌がると思うよ。それに、古くて状態の悪いレコードは仕方ないけれど
こまめに専用のクリーナーでメンテすればノイズは減るし
音も良くなるよ。
レコードは良く「聴きすぎて溝が減った」とか
やはり減るんですか?マスターは女性口説くとき
「いいじゃないですか 減るもんじゃないですから」とか言ってますけど。
いや レコードも女性も減るでしょ。
女性は体に舌が通るけれど、レコードは溝の上を針が通過するから
やはり減ると思う。針も減るしね。けれど、余程摩耗した針を使っていたり、
針圧を間違って再生しない限り、音の劣化は無いよ。
俺ももう何百回と繰り返し聴いているレコード沢山あるけれど
全然 大丈夫。けれど、有線から放出されたレコードなんか
確かに溝がすり減って、聴くに堪えないレコードも出会ったことある。
あれはある程度摩耗した針で頻繁にプレイされて溝が駄目になったんだわね。
で、実際 レコードとCD 音はどっちが良いのですか?
じゃ この3枚 聴いてみる?
ビートルズの「サムシング・ニュー」は60年代のオリジナル
ステレオプレスとリマスターCD。
ジョー・ヘンダーソンの「ページ・ワン」はデジタル・リマスターCDと
そのデジタル・リマスターを使用したアナログ。
ジョージ・ハリスンの「オール・シングス・マスト・パス」は
ジョージが生前、リマスターして新装発売したCDと
そのデジタルマスターを使用した3枚組の限定アナログ。
ビートルズは音が全然違います。レコードの方はスタジオの
熱気見たいな空気感がハッキリ解ります。
音に勢いが有る。CDになると、確かに音の粒がきめ細かくなって
綺麗ですが、迫力に欠ける???
他の2枚は両方大きな違いは在りません ですか?
そもそもアナログとデジタルの音の違いを比べるのがナンセンス。
レコードは溝自体は小さな音で刻まれていて
それをアンプに内蔵されているフォノアンプ、昇圧トランスで音を
戻して再生する。カートリッジも3000円前後から
百万近いものもあるし、プレーヤーもある程度
高額じゃないと良い音では再生できない。
傷やカビにも弱い、静電気等メンテは手間がかかる。
一方のCDはレーザーで波系を読みとる仕組みで
人間の聴覚上、必要とされない16kHz以上の音がカットされていて
逆にそれが聴いていると「冷やかな」「聴き疲れする」とも言われている。
しかし、アナログに慣れ親しんだ世代以外には小さく
使いやすい、時間が長い、どの機械でもある程度良好な音で
再生できるからね。日本でCDが登場して直ぐに市場から
アナログが消えたのは、当時のレコード会社の殆どが
親会社が電機メーカーだった事にも関係あるね。
今では簡単にCD-Rに劣化なしでコピーできたり、
違法ダウンロードとか、CDが売れなくなった
環境作りに貢献したのがレコード会社とは皮肉ですね。
なんかね、俺が中・高校生の頃はレンタルなんか無かったから
必死に貯金したり、参考書買うと言って、親に悪いけれど
そんなお金で月に一枚、買ったレコードを大切に何回も、
新譜なんか仲間と「俺は00買うから お前は00にすれよ」とか
ダブラないように、貸し借りあったり。
なんか最近は音楽も消費物になったようで寂しい。
音の違いは・・・????
ビートルズの場合、当時のオリジナルのままの音なんだよね。
真空管式のカッティングマシーンで大きな音で
溝に刻まれていて、でもCDになると同じマスターを
ノイズ除去したり、音を聴き易く加工したり、
それにテープって劣化するんだよね。オリジナルのレコード場合
出来たてのマスターテープでしょ。でもレコードをプレス重ねる際に
どうしてもテープって経年変化やらで劣化するんだよね。
その差も大きいと思う。
デジタル・リマスター音源はそのままCDで聴いた方が良いと思う。
CD用にマスタリングしているんだから、聴覚上
確かにシンバルや音の張り出し方に違いは多少あるけれど
CDで聴いた方が良いと思う。
後ね 古いレコードはだったら音は皆良いかと言うと
そうじゃないね。アメリカ イギリス ドイツ オランダの
レコードは音が良いけれど、大概日本の洋盤は音は良くない。
それはどうしてですか?
まず、当時日本に送られてくるマスターテープの質が
あまり良くなかった。他の国にはマスター直コピーのテープが
送られていたのに、当時の日本は今と違って他国とは比べ物にならないほど
技術的に遅れている国と思われていた。馬鹿にされていた。
そのマスターも送られてくるのが遅くて、東芝なんか
ビートルズのシングル、アメリカのシングルレコードを
コピーしてレコードにしていた位だからね。
そりゃ 酷い。
日本で再発されるレコードはずっとその劣化したマスターを使っていたから
できたらオリジナルの外盤かその国の再発盤を買う事を勧めるね。
今レコードを聴く人って マスター以外どんな人かな?
やはり、古くからアナログに慣れ親しんだ人。
カートリッジを変えるだけで音が変わるから、オーディオマニア?
後、圧倒的ジャズとロックだね。
やはり、ジャケットの大きさもそうだけれど、
A面・B面の起承転結もあるよね。
CDが登場して一番喜んだのはクラシックのファンじゃないかな?
昔は「交響曲」なんて、何枚のLPをとっかえ ひっかえ していて
面倒だったのに、CDなら80分近く入るでしょ。
当初の最大74分って規格、あれはカラヤンの意見だからね。
今後もアナログは永久?
うん、輸入盤なんかもバージンヴィニール 重量盤で
高価だけれど、音は物凄く良いアナログがジャズを中心に販売されているし、
日本のミュージシャン、クロマニヨンズや他のミュージシャンも
初回限定で沢山出している。
けれど日本の東洋化成のLPはもう買わない。
なんで?
〄規格が無くなってから盤質がとても悪くなった。
それと盤の外側が欠けている物があったり品質は悪いよ。
「アナログ最後の砦」と言われていて、日本で唯一
レコードを作る会社だけれど、あの品質は酷いと思う。怠慢だわ。
レコード作りに愛を感じないね。
何物にも愛ですよね。
愛にも本物と偽物が有る レコードにもミュージシャンの
伝えたい音が詰まった音のレコードもあれば
疑似ステレオとか、勝手にピッチあげたり、偽物の音もあるんだわ。
両者 これからも共存共栄して行ってほしいですね。
うん、でも、CDの中で早くも、ジミヘンのCDで
腐食して聴けなくなった物もあるんだわ。
CDは寿命が有るとかないとか?困ったね。
やはり、愛とは同じで何事も永遠 一生なんてないんですね。
勝手に〆るなよ。じゃ 今日はそんな貴方に秘蔵盤。
松本まりなさんの復帰で初の本番無修正?
違うよ、ビートルズの「Rubber Soul」の極短期間販売されていた
完全初回プレスのマトリックス 1Nの激レア盤。
音が高い音でカッティングされていて、迫力が有るんだけれど
針飛び、歪むと言うクレームを恐れて回収された曰くつきのレコードよ。
音が薄く感じる、東芝の初版ステレオと聴き比べて見て。
結局、唯一人、レコード談義に花を勝手に咲かせては
散らしているマスターベーション野郎のマスターであった。
先述したように、最終溝に大きな音でカッティングされているので
静かな「ミッシェル」で音割れが発生しています。
私の所有しているレコードも同じです。